先日、小学生の生徒からある私立中学入試の過去問に出てきた西尾勝彦氏の詩「羽」の問題について質問がありました。
この詩は「独自の価値観を持ち 常に高く舞い上がろうとする人」を「背中に羽を生やしたような人」に例えています。
生徒の疑問は、この詩に出て来る「独自の価値観」という言葉の意味でした。
この言葉の意味が分からないと詩の内容が全くわからず、従って問題も解けない、という状態になります。
問題はこの詩にある「十代半ばでほとんど消えてしまうのは どうしてだろう?」という一節の意味を答える、というもの。
つまり、どうして「羽=独自の価値観」が「十代半ば」で消えるのか、という問題です。
さらに、その生徒は設問とは直接関係ないものの、詩の最後を締めくくる次の一節も疑問に思ったようです。
小さな足場を固めると
僕にも
羽が生えてきた
この詩のポイントは、次の通りです。
①幼い子供は「独自の価値観」を持っている
②10代半ばになると「独自の価値観」を持てなくなる
③大人でも「足場を固める」ことで「独自の価値観」を持てるようになる
最初、この生徒は「羽を生やしたような人」を「中二病患者」の意味だと思ったようです。
うん、確かにそうも読み取れる!
しかし、この詩は「足場を固める」ことで大人も「独自の価値観」を持てる、と書いてあることがポイントです!
中二病患者は足場を固めたりはしませんからね。(笑)
「独自の価値観」を子供はみんな持っていますが、それを貫くと独りよがりになり、うまくいきません。
そこで十代半ばになると
「自分が人からどう見られているか」
を意識するようになります。
つまり「他人の価値観」を意識する、ということです。
その生徒にはわかりやすい例として
「自分が人からどう見られているか、鏡を見て検証してみる」
等を上げてみました。
その生徒も鏡で自分の姿を確認しているようです。
「先生、自分が人からどう見られているかを確認しない人はどうなるのですか?」
「それは・・・仕事を失いますね。」
「じゃあ、足場を固めるというのはどういうことですか?」
「芸能人とかで奇抜な格好をしている人がいるでしょ?あれがまさに『独自の価値観』です。芸能人は色々研究して勉強しているからこそ、『独自の価値観』で変わった格好をしても許されます。それが『足場を固める』ということです。」
そこまで説明すると、半ば意味が理解できた生徒。
「10代半ばになると現実を見るようになるということですか?」
「そうです。そういうことを書けば正解になりますよ。」
この詩のポイントは「独自の価値観」を持っていること自体を悪いことだとはしていない、ということ。
むしろ「足場を固める」人が「独自の価値観」を持っていることを好意的に評価しています。
だから「中二病患者」みたいなネガティブな捉え方をしてしまうと、中々正解できません。
子供向けの問題ですが、独自の価値観を持ちたければ「足場を固める」ことが大切だというこの詩は、大人の方に響く内容だったかもしれないですね。
【学習塾PLANT】
2014年12月に大阪市天満橋に根本が開校した進学教室です。最初は高校受験の塾としてはじまり、後に中学受験・大学受験を対象としたクラスを開講。
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